幻住庵

げんじゅうあん

更新日
2020/07/20

    江戸時代に松尾芭蕉(1644-94)が4カ月間暮らした草庵。京阪電鉄石山寺駅の西にある国分山東斜面の近津尾(ちかつお)神社にあります。芭蕉が、ここでの生活を『幻住庵記(げんじゅうあんき)』に記したことはあまりにも有名です。幻住庵は、芭蕉の門人の1人であった菅沼曲翠(すがぬまきょくすい)(1659-1717)が義仲寺で生活していた芭蕉の隠棲地として、伯父幻住老人(げんじゅうろうじん)(定知(さだとも))の旧庵に手を加えて、提供したものです。芭蕉は、ここからの眺望やここでの生活を心から愛しました。幻住庵の名は、曲翠の伯父幻住老人の名に由来しています。
     今までは、近津尾神社境内に跡碑と句碑がひっそりと立っているのみでしたが、平成3年(1991)10月「ふるさと吟遊芭蕉(ぎんゆうばしょう)の里」事業の一環として幻住庵が再建され、『幻住庵記』の中に出てくる「とくとくの清水」は、現在も変わらずに木立ちの中を流れています。なお、句碑に刻まれているのは「先(まず)たのむ椎の木もあり夏木立」という『幻住庵記(げんじゅうあんき)』を結ぶ句です。

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