近江の聖徳太子を巡る!縁結びの旅(東近江地域)
近江の聖徳太子を巡る!縁結びの旅(東近江地域)
聖徳太子にまつわる伝承が多く残されている滋賀県の東近江地域(近江八幡市・東近江市・日野町・竜王町)では、聖徳太子薨去1400年を記念して、聖徳太子ゆかりの社寺を中心としたキャンペーンを開催しています。
今回のテーマは「縁結び」!聖徳太子ゆかりの「社寺」、「食」、「体験」を通じて、縁結びの旅をしてきました♪
◇「商売繁盛」編はこちら ⇒ 近江の聖徳太子を巡る!商売繁盛の旅(東近江地域)
◇「疫病退散」編はこちら ⇒ 近江の聖徳太子を巡る!疫病退散の旅(東近江地域)
聖徳太子が近江に建てた最後の寺「願成就寺(がんじょうじゅじ)」
近江八幡市の八幡堀から少し足を伸ばした小高い山の上にある願成就寺(がんじょうじゅじ)を訪れました。
推古天皇の勅命により近江に48ヵ寺を建立した聖徳太子が、最後にこの寺を建て、"48カ寺建立"の願いが成就したことから寺の名前になったと言われています。
本尊は、木造十一面観音立像(秘仏・国指定重要文化財)で、聖徳太子作と伝えられています。
通常49年に一度の開帳ですが、聖徳太子薨去1400年を記念して、2022年6月25日(土)~27日(月)に、特別御開帳が行われる予定です!
■うかがい石
本堂にあるこちらの石は、願いが叶うかどうかを伺う「うかがい石」です。
観音様のご真言を三回唱え、願いを心に込めてどちらかの石を両手で持ち上げます。
もう一度ご真言を三回唱え、同じ石を持ち上げたとき、軽く上がれば願いごとが叶う、というもの。
願い事が叶うか挑戦してみてはいかがですか?
■不動堂(護摩堂)
五大明王を祀る不動堂です。
不動明王を中心に、東西南北それぞれを守護する明王が祀られています。
願成就寺には、国指定重要文化財の「木の中地蔵」も祀られています。
「木の中地蔵」は、1本の樹から造られた3体の地蔵の内、木の中間部分から彫り出されました。
同じ木の根本"から造られた、長浜市の木之本地蔵院の「木之本地蔵」と、木の上の方から造られた福井県の「木ノ末地蔵」とは、兄弟地蔵といわれています。
所在地 | 近江八幡市小舟木町73-1 |
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拝観時間 | 10:00~16:00 |
拝観料 | 入山料無料、拝観料800円 |
ウェブサイト | 聖徳太子の足跡めぐり |
聖徳太子が人魚のために建てた寺「観音正寺(かんのんしょうじ)」
観音正寺(かんのんしょうじ)は、今から約1400年前、聖徳太子によって、標高約433メートルの繖山(きぬがさやま)の山頂に開創されました。
言い伝えでは、人魚の哀願により聖徳太子が千手観音の像を刻み開基した、日本で唯一の人魚のための寺院です。
推古天皇の御代、近江国を遍歴していた聖徳太子は湖水から浮かび出てきた人魚と出会います。人魚は「私は前世漁師であり、殺生を業としていたため、このような姿になりました。繖山にお寺を建て、どうか私を成仏させてください」と懇願しました。聖徳太子はその願いを聞き入れみずから千手観音の像を刻み、堂塔を建立したとされ、日本唯一の人魚伝説が残る寺院としてその歴史は脈々と受け継がれております。
(観音正寺ホームページより)
観音正寺へは、近江八幡市安土町石寺側林道を通る「表林道」と、東近江市五個荘川並側の「裏林道」、そして麓から約1200段の階段を登るルートがあります。
今回は、駐車場からゆるやかな坂道を歩く「裏林道」から向かいました。昨年の豪雨による崩落でしばらく閉鎖されていた裏林道ですが、この4月から開通したばかりです。
■仁王門
参道から境内に進むと、山門の代わりに巨大な仁王像が門固めをしていました。
ここからまっすぐ行くと本堂に辿り着きます。
山の上に建てられているため、眺めも素敵でした!
■縁結びの千手大観音
約1400年の歴史がある観音正寺ですが、平成5年の大火により、本堂と本尊の秘仏「千手千眼観世音菩薩」が焼失してしまいました。
その後、本堂の再建とともに、総白檀(びゃくだん)で彫像された「千手大観音」が本尊として鎮座されました。
この「白檀(びゃくだん)」は、インドから渡ってきた香木ですが、本来は輸出禁止の大変貴重なものだそうです。
インド政府をはじめ多くの方々の協力により、23トンの白檀が特別に許可され、日本へ渡ってきました。
本尊「千手大観音」は、多くの「縁結び」によって姿を現わされたことから、「縁結びの千手大観音」といわれています。
■内陣特別拝観 白檀観音御身拭い
本堂の内陣特別拝観と本尊の御身拭いを体験させていただきました。
まず、こちらのセットをいただきます。
ピンク色の和紙は、御身拭い用の散華です。
オレンジ色の紐は、ピリットヌーラという厄除けの紐です。手首に捲いていただきました。
内陣へ進みます。像高6.3メートル、座高約3.5メートルの本尊を間近で拝観することができます。
千手観音は、人々のどんな願いも聞けるように"千手"にたくさんの道具を持っています。
自分の願い事を祈りながら、先ほどの散華で大きなお膝を御身拭いします。
ほんのりと和紙に白檀の良い香りが移りました!御身拭い後、散華はお守りとして持ち帰ることができます。
千手観音の千手の中に、一手だけ何も道具を持たない手があります。
この手を「施無畏手(せむいて)」といい、"恐れを跳ね除ける"という意味があります。ぜひ探してみてください。
【本堂内陣特別拝観と御身拭い】志納金300円
■聖徳太子1400年御遠忌 秘仏千手観世音菩薩開帳
観音正寺では、33年に一度、秘仏の開帳が行われていましたが、大火による秘仏の焼失で、悠久の昔より受け継がれてきた開帳の儀式は途絶えてしまいました。
しかし平成24年、土蔵から前秘仏の御前立が発見されたのを機会に、その御前立を修復し、秘仏として安置されることとなりました。
聖徳太子1400年御遠忌の今年、33年に一度の儀式「秘仏千手観世音菩薩開帳」が蘇ります!
【秘仏千手観世音菩薩開帳】期間:令和4年5月22日(日)~令和5年7月10日(月)
所在地 | 近江八幡市安土町石寺2 |
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拝観時間 | 8:00~17:00 |
拝観料 | 志納金額:大人500円/中高生300円 ※林道料金は別途必要(普通車600円) 聖徳太子1400年御遠忌 秘仏千手観世音菩薩開帳期間中の内陣拝観料:500円 |
ウェブサイト | http://kannonshoji.or.jp/ |
昼食:近江万葉浪漫の膳
昼食は、東近江市の近江商人の町・五個荘にある老舗料理店「納屋孫(なやまご)」にて、『近江万葉浪漫の膳』をいただきました。
窓から美しい日本庭園眺めながら、お食事を楽しむことができます。
『近江万葉浪漫の膳』は、調味料があまりない万葉時代に食べられていたであろう、と考案された料理です。食材も、万葉集歌に登場する食材と、近江らしい食材からピックアップしています。
料理は一品ずつ、料理長の解説付きで提供いただきました。
■氷魚(ひうお)の釜揚げ
藻塩と酢で味付けをした鮎の稚魚「氷魚(ひうお)」です。古来からある生姜を添えていただきました。
■鯛と鮒のお刺身 醤酢(ひしおす)和え
醤(ひしお)とは、醤油や味噌の素になったと言える、昔の発酵調味料です。
万葉集に、"鯛のお造りに、醤酢と蒜(にんにく)を和えたソースを絡めて食べたい"という和歌があることから考案された料理です。
■筍の蒸し物
かつお出汁で煮だし、藻塩と酒、大徳寺納豆で味をつけた筍です。
ワカメも万葉の時代からある食べ物だそうです。
■鮒鮓(ふなずし)
こちらは近江の国の名産「鮒鮓(ふなずし)」。
■猪の万葉焼き
醤とはちみつで味付けをして焼いた猪肉です。猪などの獣の肉は奈良時代以前は食べられていたそうです。
■ホンモロコの素焼き
ホンモロコは琵琶湖の固有種です。その場で焼いていただきました!
■鰻とホンモロコの南蛮漬け
鰻は、大伴家持の和歌でも歌われている、昔から食べられていた食材です。
■ご飯と漬物とお吸い物
ご飯は炊くのではなく、蒸しあげただけのものです。
お吸い物の具材は、鴨肉とセリです。
当時すでに瓜があったことから、きゅうりを藻塩で漬けた漬物も。
■水物(デザート) 干し柿と柑橘類
昔から食べられていたであろう干し柿と柑橘類で、最後でした!
食べ始める前、料理長はあまり味に期待をしないでとおっしゃっていましたが、今回の参加者の中では美味しいと好評でした!
素朴な中にも味わい深い料理の数々でした。
『近江万葉浪漫の膳』はグループ、団体旅行が対象の完全予約制です。
所在地 | 東近江市五個荘川並町620 |
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ウェブサイト | https://nayamago.com/ |
道の駅アグリパーク竜王でいちご狩り体験♪
聖徳太子は「甘いものを好まれた」ということで、いちご狩りを体験してきました!
いちごには、腸内環境を整える「ペクチン」が含まれており、老廃物の排出を促す効果があります。
日頃、体にたまっている不要物を排出しにいきましょう!
竜王町には現在15のいちご園があり、滋賀県下でも最大級の栽培面積を誇ります。
道の駅 アグリパーク竜王で受付を済ませ、今回は「高野いちご園」でいちご狩りをしました!
注意事項をよく読み、ビニールハウスに向かいます♪
こちらのいちご園では、章姫・紅ほっぺ・よつぼし・かおり野・おいCベリーから4種類のいちごを食べ比べできます♪
ハウス内には、練乳とチョコレートソースが用意してありました!
そのままでも美味しいですが、ソースをかけて味を変えてみるのも楽しいですね♪
所在地 | 竜王町大字山之上6526 |
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営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 月曜日 |
ウェブサイト | https://www.aguri-p.com/ |
みくじ占いの寺「観音禅寺」
今回のツアーの最後は、竜王町にある観音禅寺を訪れました。
観音禅寺は竜王八景の一つ「牟礼(むれ)公園」のそばに位置しています。
天橋立をかたどった景観の優れた公園で、水鳥が憩うオアシスとなっています。
公園を通り抜け、68段の階段を上り、小さな山門をくぐると本堂に詣でます。
本尊は、十一面観音像。聖徳太子が一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝すること)して刻まれたものと伝えられています。
令和5年2月23日(木)に開帳予定です。
隣には、聖徳太子像が祀られています。他に作例がなく、美術史学的にも非常に珍しい異形の聖徳太子像だそうです。
■観音霊籤(かんのんれいせん) みくじ占い
観音禅寺では、「観音霊籤(かんのんれいせん)」の秘法が、古くから伝わっています。
神社でよくみかけるおみくじとは異なり、住職と面談して占う内容を決め、住職が読経しておみくじを引き、その内容を丁寧に説明するという伝統的な方法で行われます。
全体で約1時間かけて丁寧に占っていただきます。(要予約)
遠方から訪れる方も多いそうです!興味のある方はぜひ体験してみてください♪
所在地 | 蒲生郡竜王町小口848 |
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拝観時間 | 9:00~17:00 |
拝観料 | 拝観無料 |
ウェブサイト | 聖徳太子の足跡めぐり |
聖徳太子1400年悠久の近江魅力再発見キャンペーンスタート
東近江地域(近江八幡市、東近江市、日野町、竜王町)では、「聖徳太子1400年悠久の近江魅力再発見キャンペーン」がまもなくスタートします!
令和4年5月21日(土)に、オープニングセレモニーを開催!
東近江市の八日市文化芸術会館にて、太郎坊宮で行われる式典の様子をライブ配信でご覧いただけるほか、期間中のイベント情報や江州音頭の披露、講談、ロゴ・キャラクター応募作品の展示などをお楽しみいただけます♪
詳細はコチラ→https://omi-st1400.com/topic/59
また、令和4年5月22日(日)には、オープニングイベントとして「近江の太子 祈りのリサイタル」が開催されます!(観覧申込は締め切りました)
他にも、令和5年12月まで聖徳太子ゆかりの社寺を中心に、秘仏の特別公開や特別御朱印めぐりなど、大人から子供まで楽しめる様々なイベントの開催を予定しています。
ぜひ聖徳太子のゆかりの地へお越しください!