インド 手しごとの世界~木・竹・布・革~ (近江八幡市)
インド 手しごとの世界~木・竹・布・革~ (近江八幡市)
10月27日(木)に近江八幡市の白雲館の2階で行われたインド伝統工芸士による「インド 手しごとの世界」のイベントに行ってきました。
このイベントは、インド独立75周年および日本との国交樹立70周年を記念し、開催されたものです。
2022年10月7日~30日までの3週間、インド文化関係評議会(ICCR)派遣の伝統工芸士5名が来日し、西日本の各地域を周ってインドの伝統工芸を展示・披露されました。
また、日本の伝統工芸士の方々との交流の機会も設けられました。
既にイベントは終了しましたが、インドの伝統工芸を白雲館で行われたイベントの様子とともにご紹介します。
木工彫刻
ユネスコ手芸部門優秀賞やシルプ・グル(匠の称号)を得た、伝統と様式を守り続ける職人の一人です。
木工彫刻は、白檀やローズウッド、エボナイトなどの木を用いて、細い工具を使って複雑なレリーフを手作業で彫っていきます。
裏側を見せていただくと、表とは違う柄で彫られていました。
木箱やキーホルダー、コースターなど、様々な作品を展示・販売されていました。
絞り染め(バンダニー)
絞り染め(バンダニー)は、糸で布を括って結び目をつくり、染色することで模様を施す技法のことです。
こちらは結び目があった部分を伸ばした様子です。
展示・販売品としてストールや洋服などを並べられていました。
泥防染(バーグル)
自然由来の防染剤を使用したブロックプリントです。木のブロック(ロルダ)を使用し、防染剤を布に捺して染めていきます。
木のブロックには様々な柄が彫られています。右は防染剤の一部となる赤土。
ストールの他に、メートル売りで布も販売されていました。
籐・竹工芸
インドの北東部では竹が非常に豊富で、生活用品だけでなく家屋や橋なども竹で作られます。
竹を割り、細かく割いて用途に合わせた太さ・厚さの竹ひごを作ります。その後、細かい竹ひごを織り合わせて作品を仕上げます。
竹バッグなどの大きなものから、アクセサリーなど小さいものまで展示・販売されていました。
皮革工芸
インドの年間原皮生産枚数は約1億8千万枚で世界第1位です。レザーの質も高く、数多くの工場があり、世界の有名ブランドがインドの革加工技術に注目しています。
南インドの皮革工芸は、浮き彫りや皮紐組み編みなどの技術が特徴的です。浮き彫りは職人のオリジナリティが発揮されます。
加工を施した後、淡い茶色もしくは茶と黒の混合色に着色されます。
鞄や財布、ベルトなどを展示・販売されていました。
今回来日されたインドの伝統工芸士5名は、ナショナルアワードに認定されている方々です。
白雲館を訪れたお客さんに、伝統工芸の技術を披露しながら、それぞれの伝統工芸品を販売されていました。
白雲館での展示・デモンストレーションの後は、滋賀県の伝統工芸を見学・交流していただきました。
~訪れた滋賀県の施設~
・株式会社カワサキ / 木珠づくり・近江八幡市
・有限会社竹松商店 / 竹製品・近江八幡市
・かわらミュージアム / 八幡瓦・近江八幡市
・近江上布伝統産業会館 / 麻織物 近江上布・愛荘町
・びんてまりの館 / びん細工手まり・愛荘町
白雲館について
白雲館は明治10年(1877年)に八幡東学校として、西洋建築の様式と日本の伝統技術をとり入れ建築されました。
現在は観光案内所が設けられ観光情報の提供や、お土産や特産品も展示販売されています。
2階フリースペースでは、市民ギャラリーとして各種催しが開催されていますので、お近くを訪れた際はぜひ覗いてみてください♪