<シガリズム体験>蛯谷工芸で近江一閑張の「箸置き作り」を体験してきました!
びわこビジターズビューロースタッフが実際に『シガリズム体験』に参加し、その魅力を紹介していきます♪
第6弾は、50年にわたり守り磨き続けられている湖南市の伝統工芸「近江一閑張(おうみいっかんばり)」の箸置き作りを体験してきました!
シガリズムとは?
琵琶湖を始めとした自然と歩みをそろえ、ゆっくり、ていねいに暮らしてきた滋賀の時間の流れや暮らしを体感することで心のリズムを整える新たな旅の提案です。
近江一閑張 蛯谷工芸
栗東湖南ICを降り、車で10分ほどでたどり着く湖南市正福寺に「近江一閑張 蛯谷工芸」は工房を構えています。
一閑張は中国から400年ほど前に日本に伝来した技術で、竹を用いて製造されることもありますが、「近江一閑張 蛯谷工芸」では、紙紐を利用して製造される技術を3代にわたり伝承されています。
紙紐を使うことで、丈夫で軽く扱いやすいのが特徴です。
近江一閑張は通常、①紙紐で土台を作成 ②白地の和紙で下張り ③有色の和紙を上張り ④漆、渋柿、ウレタンの上塗り・乾燥を複数回繰り返すことで完成します。
シガリズム体験の「箸置き作り」では、土台の完成形【石畳編み・花結び編み(ぼたん、ききょう)】と上張りする和紙を選択し、
①・③・④の工程を3代目の手解きを受けながら体験します。
箸置き作り体験スタート
今回は、『花結び編み(ききょう)』の土台に挑戦しました!
まずは、用意していただいた3本の紙紐を重ね編みしながら花形の土台を作成します。
不器用な私でも3代目の優しいレクチャーを受けながら作業を進められたので、どうでしょうか・・・
結構カッコいい花形の土台が完成したのではないでしょうか!
次に、土台の上に米から生成する糊を付け、紙紐の目を浮き出すように和紙を張り付けていきます。
実はこの工程が一番難しい!!
糊付けした和紙と土台を貼り合わせる際、皺やムラを残さないように、紙紐の目を浮き出せるようにと気の抜けないけない作業が続きます。
この作業を通じて、守り・磨き続けられる近江一閑張の技術の高さを垣間見ることができることも、この体験の醍醐味と言えるのではないでしょうか。
和紙の上張りまで完了すれば、最後に渋柿の塗りと乾燥を3~4回ほど繰り返し完成です!
塗りを繰り返す過程で、艶と深みを増す様子を見ていると、自分の作る箸置きに既に愛着を感じていることに気が付きました。
制作の様子は動画でも公開中!
↓海外誘客部VLOG『【Vlog. 27】How to make a Chopstick Rest?』(英語字幕)
箸置きが完成したタイミングで、3代目から、箸置きの上張りと同じ和紙をまとったお箸の紹介がありました。
勿論迷わず即決買いしました!!!
体験を終えて
今回は、柔らかく作業しやすい紙紐を用いた一閑張の体験でした。
握力や手先の器用さに自信のない子どもやお年寄りであっても、3代目の手解きを受けながら自分なりの箸置きを完成させることができる1時間の体験は、夢中になっている間にあっと過ぎてしまいました。
体験経て、工房内に展示されている職人の一閑張作品に目をやると、皺やムラは勿論なく、紙紐の目もしっかり浮き出た姿に、改めて匠の技を感じることができます。
3代伝承「近江一閑張 蛯谷工芸」での体験を通じて、湖南市に息づくシガリズムを体感してみてください。