季節ごとに訪れたくなる・・・国宝と苔の寺、湖東三山 西明寺
西明寺といえば滋賀県では有名な紅葉スポットとして知られていますが、
実は"苔の寺"として、四季を通し美しく、癒しの風景が楽しめます。
木々と苔の緑が美しい西明寺を訪れましたので、ご紹介します。
湖東三山スマートICを下りて、国道307号線を彦根方面に3分ほど走ると
「西明寺」の看板が見えます。無料の広い駐車場があります。
~西明寺について~
西明寺は、平安時代に仁明天皇の勅願により開かれました。
薬師如来が放った光が京都の宮中に向かって西方を明るく照らしたことから「西明寺」と名付けられたそうです。
戦国武将とのゆかりも多く、源頼朝が来寺して戦勝祈願をされたとも伝えられています。
織田信長の焼き打ちに遭うも国宝の本堂、三重塔、二天門は難を免れ現存。江戸時代に復興し、現在に至ります。
国指定の文化財、名勝庭園「蓬莱庭」
江戸時代の延宝元年(1673年)に西明寺復興の記念として作られた庭。
門を包み込むような見事なもみじが迎えてくれます。
門をくぐると、自然を活かしつつ手入れが行き届いた素晴らしい庭があり、季節の花々が楽しめます。
この日は夏椿、アジサイ、さつきが咲いていました。※6月撮影
花々や紅葉と苔のコントラストは見事で、散りゆく際も苔が受けとめて美しく見せてくれます。
花々や紅葉と苔のコントラストは見事で、散りゆく際も苔が受けとめて美しく見せてくれます。
住職の中野英勝氏が説明してくださいました。
中央には折り鶴の形、左には亀の形をした石の島があり、斜面には本堂に安置されている
本尊薬師、日光・月光菩薩と十二神を表す立石群、雲を模った植え込みで構成された庭は
この世に現れた薬師浄土のよう。
鶴島(右)と亀島(左)
上から見ると、亀の形がよくわかりますね。
偶然モリアオガエル(?)の卵を発見!中央に見える白い泡のようなものが卵塊です。
環境汚染の影響を受けやすいカエルも、自然豊かなこの地を選んだようです。
樹齢約千年の夫婦杉から霊気をいただく
二天門の右側にある夫婦杉は、二本だった木が寄り添い一つになり、後方から子供のような若木が出ています。
良縁、夫婦和合、子授け、安産、息災延命を祈願し、幹や根にそっと手を添えて霊気をいただきます。
国宝の本堂、三重塔を拝む
参道の頂上に重要文化財の二天門があり、持国天、増長天が見守っています。
中野住職いわく
「下にある惣門で入山を許可されたため、この二天とは目が合わない」
とのこと。ぜひ前に立って確かめてみてください。
門をくぐると、目の前に国宝の本堂が。屋根は珍しい桧皮葺きで、
建物には釘を一本も使用していないそうです。
桔木(はねぎ)と呼ばれる屋根の支えは独特の美しいカーブを描いています。
向かって左側が本堂の正面、右側が側面となります。
上部に施されている装飾"蟇股(かえるまた)"のデザインが少し違うのがおわかりでしょうか。
本堂の中は撮影禁止ですが、平安~鎌倉時代に作られた文化財の仏像が納められています。
干支の動物が頭上に乗っている「十二神将」という生まれ年の守り仏がいらっしゃるので
生まれ年の仏を探して願いを託してみてください。
本堂内部にはお守りなどを授かれる販売所もあります。
西明寺で秋・冬・春に咲く「不断桜」という名前のお線香を購入しました。
香りも楽しめます。
初層内部には鎌倉時代の極彩色の壁画が残っており特別拝観できることがあります。
詳細はお寺に尋ねてください。
三重塔も国宝で本堂と同じく総桧で作られています。
階ごとに高さが異なるのは匠の宮大工のこだわりであり、下から見るとバランスが美しいことがわかります。
三重塔は季節ごとに絶景が生まれる、素晴らしいフォトスポットです。
最後に...西明寺の苔は、文化財とともに大切に管理されている西明寺の宝です。
「この苔は西明寺が好きです 大事にしましょう」
所在地 |
甲良町池寺26
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アクセス |
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料金 |
入山料(国宝第一号指定本堂内、名勝庭園 蓬莱庭の拝観を含む)
個人 大人800円、中人500円、小人300円 団体(20名以上)720円 (注)大人:高校生以上、中人:中学生、小人:小学生 *駐車料金は無料です。 本堂後陣仏像群特別拝観料 1,000円 本堂後陣仏像群特別拝観は、春季および秋季に実施します。 実施期間につきましては、下記西明寺へお問い合わせください。 |
営業時間 |
8:30から17:00(16:30までに入山の事)
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ウェブサイト | |
お問い合わせ |
宗教法人 西明寺
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