総本山三井寺 唐院特別体験モニターツアーに参加してきました!
総本山三井寺 唐院特別体験モニターツアー
三井寺では、2023年5月頃に結果発表が予定されているユネスコ「世界の記憶」登録に向けて、東京国立博物館とともに「智証大師円珍関係文書典籍―日本・中国のパスポート―」を共同申請しています。
今回は、宗祖「智証大師 円珍(ちしょうだいし えんちん)」に関係が深い、総本山 三井寺の非公開エリア「唐院」を舞台にした特別体験モニターツアーに参加してきました!
【境内案内①】仁王門~唐院
三井寺の仁王門前に集合し、仁王門から唐院までの各所を僧侶 西坊さんに案内いただきました。
■近江八景のひとつ「三井の晩鐘(みいのばんしょう)」
近江八景のひとつとして知られる「三井の晩鐘」は、約400年前に鋳造された国の重要文化財です。
その美しい音から、京都の神護寺・平等院の鐘とともに「日本の三名鐘」にも数えられます。
その三井の晩鐘の鐘つきを体験させていただきました。
重低音が3分以上続く、心が清らかになる音色です。
毎年大晦日には除夜の鐘が鳴らされ、多くの参拝で賑わいます。ぜひ実際に体験してみてください♪
■国宝「金堂」
境内でひときわ大きい威容を誇る金堂は、三井寺の総本堂です。秘仏の本尊・弥勒菩薩がまつられています。
1599年に豊臣秀吉の正室北政所により再建された、伝統的な天台系密教仏堂の様式を伝える桃山時代の名建築として知られています。
■三井寺の由来となった「閼伽井屋(あかいや)」
三井寺は、正式名称を「長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)」といいます。
天智・天武・持統の三天皇の産湯に使われた井戸がある寺ということから「三井寺」と呼ばれるようになりました。
柵の中をのぞくと、井戸水を見ることができます。今でもブクブクという音が聞こえます!ぜひ耳を澄ませてみてください♪
■霊鐘堂(れいしょうどう)の「弁慶の引き摺り鐘」
霊鐘堂に安置されている鐘は、奈良時代制作の重要文化財です。
武蔵坊弁慶が三井寺から奪って比叡山へと引き摺り上げたという有名な説話がある鐘です。
よーく見ると、引き摺ったような跡がついています!
源義経のお供として有名な弁慶が、この鐘を引き摺る様子を描いた大絵馬も飾られています。
■一切経を収める「一切経蔵」・「八角輪蔵」
三井寺唯一の禅宗様建築で、約400年前に戦国大名の毛利輝元によって移築されました。仏典類を網羅した「一切経」が安置されている経蔵です。
中に入ると、「八角輪蔵」という巨大な八角形の書架が。こちらは回転式になっているそうです。
■三井寺のなかで最も清浄な聖域「唐院」
今回のメインエリア「唐院」に到着しました!
唐院という名は、智証大師 円珍が唐からもたらした経典・法具類を納めるために建立されたことに由来します。
【体験】唐院 獅子吼の間での天台止観(坐禅)
普段は僧侶しか入ることができない唐院 獅子吼の間にて、禅の起源とされる天台止観を体験しました。
止観では、写真の円珍さまのお姿と同じ体制で座り、息を整えることによって、心を整えます。
また、息を数えることによって心を集中させる数息観(すそくかん)も行い、心を落ち着けていきます。
こちらは警策(けいさく)という先の平たい棒状の法具です。警策は罰ではなく修行者を励ますためのものです。
ぽんぽんと軽く叩くだけなので、痛みはありませんでした。
短い止観体験で心が整った後は、昼食の時間です!
【昼食】三井寺で受け継がれてきた精進料理
三井寺発祥の豆腐をした「ほろかべ」(写真中央)や「三井寺豆腐」、「鰻もどき」など、ヘルシーで健康的な精進料理をいただきました。
温かいお吸い物やかやくご飯も。
こちらは「三井寺揚げ」というがんもどきです。とろとろの湯葉くず餡を絡めていただきます。
この「三井寺揚げ」に由来があるのか、石川県の一部の地域では、がんもどきを「みいでら」と呼ぶそうです。
今回のお品書きです。
【境内案内②】唐院~観音堂
昼食後、唐院を案内いただきました。
〇唐院「大師堂(だいしどう)」
大師堂には、国宝の智証大師坐像二体(中尊大師・御骨大師)と重要文化財の黄不動尊立像の計三体の彫像が安置されています。
普段は立ち入ることができませんが、毎年智証大師の命日である10月29日には、秘仏・智証大師坐像が開扉され、一般の方も参拝可能となります。
〇唐院「潅頂堂(かんじょうどう)」・「三重塔」
潅頂堂は、大師堂の拝殿として建立されました。
その隣に建つ三重塔は、慶長6年に徳川家康が三井寺に寄進した仏塔です。釈迦三尊像が安置されています。
潅頂堂は密教の奥義を伝える伝法道場としての役割も備えています。
■三井寺文化財収蔵庫
唐院を離れて「三井寺文化財収蔵庫」へやってきました。ここは2014年に、智証大師生誕1200年慶讃記念事業として開館した展示型の収蔵庫です。
重要文化財の絵画や仏像、工芸品などが収蔵、公開されています。
訪れたこの日は、智証大師円珍関係文書典籍の一部を拝見することができました。
■西国三十三所第十四番札所「観音堂」
最後に訪れた場所は、西国三十三箇所観音霊場の第十四番礼所「観音堂」です。
本尊で重要文化財の如意輪観音坐像は33年ごとに開帳されます。
衆生に財宝を与え、煩悩を破る仏様として篤く信仰されています。
観音堂のすぐ向かいにある「観月舞台」は桜の季節に合わせ、特別公開されます。
美しい建築と桜のリフレクションの幻想的な景色をお楽しみいただけます。
(写真はしがのフォトコン2021!!より「春の絶景 三井寺夜桜」)
<春の特別公開2023 観月舞台 五分間の貸切拝観>
開催期間:3月24日(金)~4月9日(日) 昼の部 8:30-16:30/夜の部 18:00-21:30
特別拝観料:2,500円(最大6名様まで)※別途入山料が必要
詳細:https://www.mairuto.jp/kangetsubutai2023
今回のツアーはユネスコ登録が発表される5~6月頃に開催を予定されています。
ウェブサイト「MAIRUTO」で公開予定ですので、興味のある方はウェブサイトを覗いてみてください♪
所在地 | 大津市園城寺町246 |
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料金 | 拝観料大人600円(30名以上550円) |
営業時間 | 8:00~17:00 |
ウェブサイト | 三井寺 |