琵琶湖産の淡水真珠の歴史

フォーマルなスタイルには不可欠とされている真珠。

真円の真珠は、海に生息するアコヤ貝から生まれます。

一方、琵琶湖産の淡水真珠は、イケチョウガイという琵琶湖固有種の貝から生産されるのです。

滋賀県草津市が発祥の琵琶湖産淡水真珠は、日本の高度経済成長時代（1960年代〜70年代）にかけて最盛期を迎えました。

日本国内だけではなく、海外でも「Biwa Pearl」の名は大変な人気となり、琵琶湖の一大産業として発展したのです。

ところがその後、環境汚染により琵琶湖の水質が悪化し、海外産の安価な真珠が出回るようになります。

琵琶湖産の淡水真珠はこの時代の流れの中で、生産量を大きく減らしてしまいました。

近年、海の真珠とは異なる魅力を持つ琵琶湖産の真珠が、再び脚光を浴びるようになりました。

琵琶湖産の淡水真珠の魅力

琵琶湖産の淡水真珠には、どんな魅力があるのでしょうか。

それは、世界でただひとつというオリジナリティにあります。

琵琶湖の真珠は、海の真珠よりも長い養殖期間をかけて大事に育てます。

自然な形に育つことを重視するのが、琵琶湖産の真珠なのです。

• 色が白だけじゃない
• 形が丸いだけじゃない

色が白だけじゃない

海の真珠の多くは、多少黄みがかっていたりピンク色を呈していても、基本は白です。

一方、琵琶湖産の淡水真珠は色のバリエーションが豊富。

ゴールド、紫、ピンク、オレンジなどなど、見ているだけで嬉しくなるような華やかさです。

琵琶湖産の淡水真珠の色が多彩なのは、イケチョウガイの個体差、水温や水質など、さまざまな環境や条件に因るためといわれています。

人工的な手は加えず、あくまで自然に任せて養殖することで、琵琶湖の真珠の美しさは唯一無二のものになっているのです。

こうした個性的なカラーを活用して、琵琶湖産の真珠のデザインも多様です。

特に普段使いで楽しめる淡水真珠のアクセサリーは、この色の多様性があったからこそ可能になったといっても過言ではないのです。

形が丸いだけじゃない

日本における真珠の価値は、均等な色や形、そして大きさにあるといわれています。

しかし海外では逆に、自然の形に忠実な、少し変形した真珠が人気です。

琵琶湖産の淡水真珠が海外で大人気となったのは、自然が作り出す造形が愛されたためでした。

実際、琵琶湖産の淡水真珠の形状は自由奔放！

平たいものがあったり楕円形があったり、凹凸が激しかったり、細長かったり。

特に、核を入れずに養殖する真珠は個性的な形が多く、真珠らしからぬ飄然とした感じがとても可愛らしいのです。

海の真珠よりも養殖期間が長い琵琶湖の淡水真珠は、ユニークな形ながら真珠層は厚く、光沢は抜群です。

琵琶湖の淡水真珠を購入できる店舗は？

琵琶湖産の淡水真珠を購入できるお店を紹介します。

滋賀県に行ったら、ぜひ琵琶湖の淡水真珠の美しさを実感してみてください。

品質やデザインでも定評のあるお店で、ぜひ素敵な出会いがありますように。

神保真珠商店

1966年創業の神保真珠商店は、琵琶湖の淡水真珠の最盛期を知っている老舗です。

長く店舗を持たずに真珠を販売してきましたが、2014年大津に実店舗をオープンしました。

大津駅近くにある店舗は、モダンで、真珠の品質はもちろんのこと、デザインも豊富で全国に多くのファンがいます。

もちろん商品はすべて一点もの。

個性的でありながら品のある真珠のアクセサリーの数々、目移りしてしまうかもしれませんね。

自分へのご褒美にもできるようなお手頃な値段のアクセサリーもたくさんあり、気軽に立ち寄って吟味できるのが魅力です。

基本情報

BIWAKO PEARLS SURPRISE

「BIWAKO PEARLS SURPRISE」は、真珠の養殖場がある守山市の漁業協同組合と連携しながら、琵琶湖産真珠の魅力を発信するアンテナショップとして、2020年にオープンしました。

真珠貝オーナー制度を導入したり、作業の見学や体験も実施しています。

もちろんデザイナーによる真珠のアクセサリーも充実しています。

古民家風の店構えの中で展示される淡水真珠のアクセサリーは、いずれもモダンなものばかりです。

地元密着型の同店、漁業組合と連携して、さまざまなプロジェクトが進行中です。

物産市場とコラボしたり真珠の養殖場を船で周遊する企画があったりと、アクティビティも多彩なので、一度足を運んでみてはどうでしょうか。

ネックレスづくり体験

真珠の核入れ体験