2022年春季特別展「懐石の器」
2022ねんしゅんきとくべつてんかいせきのうつわ
- 更新日
- 2022/02/04
- 開催期間
- 2022年3月19日(土)〜2022年6月5日(日) 10:00~16:00入館は15:00まで
MIHO MUSEUMは、2022年(令和4年)3月19日(土)~ 6月5日(日)、ならびに7月9日(土)~ 8月14日(日)までの期間、春季・夏季特別展「懐石の器」を、事前予約制にて開催いたします。
懐石とは“ふところの石”。修行中の禅僧が石を温めて懐にいだき、一時の空腹をしのいだという伝承から生まれた言葉です。正式の茶会(茶事)で出される食事を、お茶をいただく前の簡素な料理の意味で懐石と呼びます。
懐石の特徴としては、お客様が料理をおいしく召し上がれるように出来たてを一品ずつ運ぶこと、亭主自ら給仕し楽しく主客交流すること、遠くの珍しい食材に重きを置かず、身近な旬の食材を客の好みに合わせて工夫する事、最後までいただいてもお腹に丁度良い量であること、料理にふさわしい器を楽しむことなどが挙げられます。豪華な献立や膳の数を誇るのではなく、お茶をおいしくいただくための心のこもった料理です。
禅の精神性と簡素な料理を茶の湯に取り入れ、懐石の形を始めたのが千利休で、『わび』の理念を受け継ぎながら、江戸時代中期には今日の懐石につながる形式が整いました。
本展覧会は、会場をひとつの茶会に見立て、「席入り」から「後座」まで、懐石の流れに沿って名品をご覧いただきます。茶室の掛物として極めて珍重された大徳寺開山・大燈国師の墨蹟や、徳川家康が下賜したと伝わる宮島釜、織部・黄瀬戸・志野など美濃窯の向付、光悦、乾山や、瀬戸、唐津、伊万里、備前、信楽の茶碗や食器、秀衡椀や永田犮治の蒔絵椀、煌びやかな和ガラスの器などが展示されます。
さらに、江戸時代の近衛家当主で、要職を歴任し公家茶道に通じた最高の茶人でもあった近衛予楽院の茶会記をもとに、当時の茶会で乾山や和ガラスの器がどのように使われていたかを紹介するコーナーや、大井戸茶碗「小一文字」(益田鈍翁・松永耳庵旧蔵)の初公開など、MIHOコレクションの原点である茶道具と懐石の器から、名品を選りすぐってご紹介いたします。展示総数は、春季、夏季の展示替えを合わせて約180件、うち初公開作品は約30件となります。また、会場内では、名品に料理を盛りつけた写真を展示し、懐石の雰囲気も味わっていただきます。
現代の日本料理の原点ともいうべき懐石。茶の湯の中で育まれた深い文化ともてなしの心を土台として、日本人の豊かな感性が生み出してきた懐石の器を、どうぞお楽しみください。
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開催地 | MIHO MUSEUM 住所 : 甲賀市信楽町田代桃谷300 |
アクセス |
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料金 | 入館料:一般1300円 高・大生1000円(20名より各200円引)※中学生以下無料 |
お問い合わせ | MIHO MUSEUM |