明治時代の幕開けとともに海外に輸出された日本の陶磁器は、欧米の万国博覧会等で高く評価されました。1859年の開港以降、横浜港が主要な輸出地だったこともあり、横浜・東京には国内の各地から500を超える陶磁関係の業者が集まって活動を成し、陶磁器産業の中心地になります。全国の陶産地から素地を取り寄せ、輸出向けの優美で精緻を極めた絵付けや装飾を凝らした「横浜焼・東京焼」が誕生しました。本展では、国内随一のコレクターである田邊哲人氏所蔵の里帰り作品を中心に、国内に現存する明治のやきもの優品約140点を紹介します。横浜焼・東京焼を代表する宮川香山や井上良斎の作品をはじめ、超絶技巧で知られる「職人技」の魅力に迫ります。
