滋賀の線路沿いには、電車の窓越しだけでは味わえない景色と、駅前ならではの味わいがあります。                                                         歴史ある町並みや湖をのぞむ絶景スポット、そしてここでしか出会えない食体験を巡りながら、駅を起点に広がる旅の魅力を体験してみませんか。

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滋賀県を東西に結ぶJR草津線

通勤・通学路線として日常を支えながらも、沿線には歩いて楽しいまちや、歴史を感じるスポットが点在しています。今回はその草津線に乗って、手原駅、甲西駅、甲南駅の3駅を途中下車。列車を降りるたびに広がる、それぞれの駅の"顔"を訪ねてみることにしました。

1.手原駅ー古い街道の記憶と、カフェでのブランチ

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手原駅から旧東海道沿いへ徒歩で、約27分。「旧和中散本舗」の重厚な佇まいが目に入ります。                                                                     ここは江戸時代、旅人の道中薬「和中散」を扱った本舗で、豪商・大角家の邸宅として今も当時のまま残る国指定重要文化財です。                                           古い街道を行き交った人々の息づかいが聞こえてくるようでした。

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残念ながら、現在は、春と秋の特別公開の時期ではないため、建物の外からの見学となりました。                                                           (上記の写真は、公開中の旧和中散本舗の様子です。)

和中散本舗 https://www.ritto-kanko.com/spot/detail/?id=2

歴史に浸った後は、街道を離れて「茶ノ木カフェ」へ

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木のぬくもりあふれる店内に入ると、焼きたてパンの香りが迎えてくれました。

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名物の黒カレーはスパイスのコクが深く、噛みしめるほどに風味が広がります。そして、タマゴとハムのホットサンドは外はこんがり、中はふんわり。気取らない味なのに、心までほっと温かくなりました。ホットサンドの食パンがあまりにも美味しかったので、お土産に購入しました。

茶ノ木カフェ https://www.ritto-kanko.com/spot/detail/?id=82

2.甲西駅ー芭蕉の句が残る町で酒と甘さに出会う

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JR甲西駅に到着するとそこから歩いて、小さな歴史散歩へ出発です。歩き始めると、町の音が少しずつ遠のいていきます。

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住宅地を抜けた先に現れる南照寺と松尾神社は、旅人を静かに迎えてくれる場所です。神社の中は、静かで落ち着いた空気に包まれていました。

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南照寺では松尾芭蕉の句碑に出会いました。遠い昔、芭蕉もこの地で同じ景色を見ていたのかと思うと、旅が少し深まった気がします。

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その後は、北島酒造へ。歴史を感じる蔵の佇まい、そして瓦屋根の蔵に掲げられた「地酒」の暖簾。北島酒造は、町の日常の中に静かに息づいています。店内には銘柄が整然と並び、木の香りとやわらかな光が心地よい。

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さらに奥へ進むと、仕込みの現場。大きな桶に向かい、蔵人が一本の櫂で酒と向き合っていました。                                                            歩いてたどり着いた蔵で感じたのは、土地と人が積み重ねてきた時間。その一滴が、旅の記憶として心に残りました。                                                 (蔵見学※要予約)

北島酒造株式会社 https://kitajima-shuzo.jp/

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北島酒造を後にすると、静かな道を歩いて次の目的地へ向かいました。たどり着いたのがレストラン潮(うしお)

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グッドデザイン賞を受賞した建物は、北山杉の木目がやさしく息づき、外の景色と静かにつながっていました。                                                                  こちらのお店が目指しているのは、200年後も変わらないレストラン。流行に左右されず、人が集い、語らい、食事をする――その営みを静かに支える空間。

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カフェタイムに選んだのは、湖南市魅力発信拠点施設に隣接しているHAT農園のいちご「すず」を使用したパフェとタルト。タルトの生地はサクサク。甘さと酸味のバランスが絶妙の美味しさでした。

レストラン潮    http://r-ushio.jp/

3.甲南駅ー忍者の里・甲賀を歩く

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JR甲南駅に降り立つと、まず目に入るのは落ち着いた佇まいの駅舎。忍者の里として知られる甲賀らしく、どこか凛とした空気が漂い、ゆっくりと時間が流れているように感じました。

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甲南駅から歩いて向かったのは、甲賀流忍術屋敷。看板をくぐると、そこはまるで江戸時代にタイムスリップしたかのような世界が広がります。この屋敷は、かつて本物の甲賀忍者が実際に暮らしていた家で、代々忍びの家系が住んでいたと伝えられています。

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出迎えてくれたのは、忍者の歴史や甲賀の伝統がわかりやすく展示された館内。隠し扉、抜け道、落とし穴――昔の忍びが訓練し、身を守るために使っていた忍術の秘密が、所々に巧妙に仕掛けられています。歴史好きな人はもちろん、小さな仕掛けにワクワクしたい人、家族連れ、旅の途中下車観光にぴったりのスポットです。

甲賀流忍術屋敷 https://www.kouka-ninjya.com/

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甲賀流忍術屋敷を堪能したあとは、そのまま歩いて和菓子の名店「大彌(だいや)」へ。

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今回選んだのは人気のクリームチーズ大福と、甲賀らしさ満点の甲賀流忍術屋敷のお菓子。クリームチーズ大福は、やわらかなお餅の中に包まれたクリームチーズ餡のほどよい甘さとコクが絶妙で、和菓子なのにどこか洋菓子のような満足感。(レアチーズ大福は、現在、予約販売となっています。)

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甲賀流忍術屋敷の御菓子は、忍者の里らしい遊び心が感じられて、お土産としても喜ばれそうです。                                                          忍者文化に触れたあと、老舗の和菓子でひと息つく――                                                                              歴史と甘味を味わいながら、旅の締めくくりにふさわしい時間を過ごすことができました。

御菓子司 大彌 https://www.daiya.info/