あま~いイチジクはいかが?栗東市のイチジクをご紹介

甘くてつぶつぶの食感がおいしい、夏の代表的な果物の一つ「イチジク」をご紹介します。

栗東のイチジク

イチジク(ハウス)

イチジクパック

栗東市では、およそ1.7ヘクタールの土地で13戸の農家が栽培しています。
今から30年ほど前から本格的な栽培が始まり、今では年間の出荷量は13トンと滋賀県で一番多い産地です。
すべての生産者が、気象状況の影響が少ないハウス栽培をしていて、農薬を極力少なく、あるいは全く使わない努力をしていて、滋賀県の「環境こだわり農産物」に認証されています。
この時期、収穫は、お盆明けから最盛期のピークが続いています。

生産者紹介

栗東いちじく生産組合の方は、現在70代~80代の方がほとんどですが、生産組合長の中井栄緒さんは31歳で、組合員のなかでは最年少です。
中井さんは、普段イチジクのイベントなどがある場合は、布で作ったお手製のイチジクの被り物(帽子)をかぶってPR活動されています。

中井栄緒さん

先日、栗東市内にある中井さんのハウスを見学させていただきました。

イチジクハウス

4棟のハウスには、合計80本ほどのイチジクの木が植えられています。ハウスに入った途端、イチジク独特のあま~い香りがしました。
大人の背丈を超すくらいのイチジクの木が畝に沿ってずらっと植えられていました。
一本にだいたい20個くらいのイチジクがなります。

イチジク(枝になる)
枝からのびる大きな葉っぱの根本に実がなります。
手のひらよりひとまわり大きい葉っぱが太陽の光をたくさん浴びて、実に栄養を送っているように見えました。

イチジク(二つに割る)

うっかり「花はどれですか?」と聞いていしまいましたが、イチジクは漢字で書くと「無花果(花のない果物)」と書くくらいですから、表面からは花は見えません。
実の中にある粒つぶが一つ一つが花なんです。私たちがおいしく食べているあの粒つぶが花とは、不思議な果物ですね。
私が訪れたのはお昼過ぎで、ハウス内は気温が50度を超しているのではないかというくらい、サウナ風呂のような暑さでした。
暑さのため、収穫の作業は毎日早朝に行っているそうです。その後、完熟のとれたてのイチジクを直売所にすぐに運び、販売されています。

イチジクパック入り.jpg

イチジクは、皮が非常に薄く、日持ちせずに傷みやすいので、通信販売などで地方に発送するのが難しいのです。あおい実を収穫して熟すのを待つより、木で完熟させたものを食べてもらいたいという生産者さんの思いもあります。地元でこそ味わえる果物なんですね。
栗東のイチジクは、JAや道の駅の直売所で販売されています。

完熟でおいしいイチジクの見分け方

ふっくらした形で、色は深い赤紫色、表面に照りがでてきるものがおいしイチジクだそうです。
また、お尻の部分が少し割れているくらいが水分が多いそうです。
イチジクは一つ90g~100gくらいあるのですが、そっと両手で持つとずっしりとした宝石のような感じがしました。

イチジク手に持つ

二つに割る.jpeg

その完熟したとれたての宝石を一口いただきました!とっても甘く(糖度14度)白い部分のトロっとした舌ざわりと花のプチプチの食感がなんともいえないおいしさでした。

イチジクの品種や栄養

栗東いちじく生産組合で栽培されているのは「桝井ドーフィン」という品種で、実が大きく食べ応えがあるのが特徴です。
海外で育てられている品種に比べて水分が多く、生食向きだということです。そのままがおいしいんですね。
栄養面では、食物繊維やミネラルが豊富でしかも低カロリーです。他にも、便秘改善、整腸作用の効果もあるそうです。
また、タンパク質分解酵素が消化の促進をするということで、お肉料理の食後のデザートにおすすめだということです。

生産者の思い

生産者の高齢化が進み、後継者がいないという農家もあります。
何とかして地域ブランドとしての栗東いちじくを守りたい、生産量を増やしたいという思いがあって、去年夏、栗東いちじく生産組合長の中井さんとJA栗東市が企画して、ハウスの見学や就農の相談会のツアーを開催しました。

ハウス加工2.JPG

ハウス加工.jpg

(去年の様子)

栗東市で農業をしたいと考えている一般の人たち(定年退職された方や、学生など)を含めておよそ30人が参加しました。
実際にハウスを見学することで、生産の様子を実際に見てもらったり生産者から直接話を聞いて必要な情報を得たりしてもらいました。

イチジク勉強会

(去年の様子)
また、栗東市はJRの駅はもちろん高速道路のインターチェンジ、国道8号線と1号線の分岐点があって交通の便がとてもいいということ、そしてイチジクは生産組合がしっかりいるので、販路や流通が確立されていてすぐに利益が得られることなど、そういった情報をしっかり伝えることで、農業をするイメージを持ってもらいたいということです。
今年はコロナウイルスの影響で、このツアーは実施できませんでしたが、出来るようになれば継続して実施したいということです。

栗東のイチジクを守りたい

就農、農業一本で生活するとなると、なかなか難しいと考えている人には、例えばイチジクの木のオーナー制度といった企画を作って少しずつ農業に触れてもらうのもいいのではとおっしゃっていました。
最近はSNSの写真などで、イチジクが食卓でどう食べられているかも農家が知ることが出来る時代なんです。
そういった意味では、消費者の「おいしい」「形がいい」といった反応や評価がダイレクトに伝わってやりがいがあるということなんです。
今後、地域ブランドとして「栗東のイチジクでないとだめ」といってもらえるように産地の差別化を図っていきたいということでした。

イチジクパック詰め

イチジクハウスの中

(栗東いちじく生産組合長:中井栄緒さん)

【栗東いちじくの販売場所】

  • 道の駅 アグリの郷栗東 (栗東市出庭961-1 TEL: 077-554-7621)
  • 田舎の元気や (栗東市小野547-3 TEL:077-552-0531)

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