京阪電鉄唐橋前駅の東約100m、近江八景「瀬田(せた)の夕照(せきしょう)」に描かれていることは、あまりにも有名。瀬田橋(せたばし)あるいは瀬田(せた)の長橋(ながはし)として多くの文学作品に登場し、古くから、日本三名橋の一つしても有名な長橋です。
最初に架けられたのは定かではありませんが、日本書紀に登場しているのでかなり古いものです。昔から、「唐橋を制するものは天下を制する」といわれるほど、京都の喉もとを握る交通・軍事の要衝であり、何度も戦乱の舞台となってきました。現在のように大橋・小橋の形になったのは、織田信長(1534-82)が架け替えてからといわれています。
昭和54年(1979)に新しく架け替えられた現在の橋は、木造を廃して鉄筋コンクリート製になっています。しかし、クリーム色の欄干(らんかん)に旧橋の擬宝珠(ぎぼし)をつけた橋の造りは、以前の姿をとどめ、古風で情緒深い景観です。